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EQ Bank + Atlassian

EQ Bank はアトラシアンのクラウド製品で競争力を増強


EQ Bank
業界

財務サービス

場所

カナダ、トロント

ユーザー数:

400

ソリューションパートナー
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潤沢な資金を持つ伝統的な銀行と、破壊的な成長を見せるフィンテックのスタートアップの中間に位置するのが、カナダ、トロントに拠点を置く EQ Bank (Equitable (EQ) Bank のデジタル プラットフォーム) をはじめとする挑戦者たちです。その成長を後押しするのは、フォーチュン 500 に名を連ねる銀行には満足できず、よりよいサービスを探し求める企業です。よって挑戦者企業は、伝統的な銀行のサービスとは何か、どうすればそれを改善できるかを常に考え続ける必要があります。

EQ Bank のように完全にデジタル上の企業である場合、ユーザーのオンライン エクスペリエンスがブランドそのものとなります。しかし、ソフトウェア配信のシステムと方法が会社の目標と合致していなかった場合は問題です。2016 年の EQ Bank が陥っていたのはまさに、そのような状態でした。

昨年 EQ Bank は、アトラシアンのクラウド製品を組み合わせて使用することで月間製品リリース数を 2 倍に伸ばしました。アジャイル方法論と、人とテクノロジーのスケーリングの見直しを経た今は、1 日当たりのビルド件数の増加率は 500% に達する見込みです。今後 1 年間の目標は、ビルドと製品リリースの数をさらに 2 倍にすること。現在、Equitable Bank の運用資産額は 310 億ドルに上ります。

抜本的な改革が必要

銀行業界の規制は非常に厳しいため、単純にウォーターフォール型をやめてアジャイル型、DevOps、CI / CD へと切り替えればよいというわけにはいきません。小さなミスや見落とし 1 つが、罰金や訴訟につながりうるからです。これが、多くの銀行が従来のプロセスにしがみつきがちになる理由です。

Atlassian Cloud 製品を組み合わせて使用することにより、EQ Bank が月間製品リリースを倍増し、1 日あたり 500 パーセント超のビルドを達成しています。

EQ Bank は、当時のウォーターフォール プロセスではスピードが遅すぎるため、顧客により早く価値を届けるという目標を達成できないと認識していました。2016 年、EQ Bank のソフトウェア開発は、独自のツール、方法論、Jira Software インスタンスを保持する複数のベンダーに、ほぼ完全に外注されていました。社内外のソフトウェア配信の取り組みを首尾一貫したひとつの形にまとめるなど、不可能でした。

いちからやり直す

2016 年、EQ Bank に入社したばかりの技術部長 Daniel Broten 氏に、ある任務が課されました。ソフトウェア配信のスピードを上げて、顧客のデータを保護しながら、これまでよりはるかに優れた銀行取引サービスを提供することが、最優先事項となりました。

チームとプロジェクトの拡張、プロセスの最適化、社内外のリソースのコラボレーション強化を実現する最善策はクラウドだと、Broten 氏は認識していました。しかし、社内のコンプライアンスとセキュリティ チームは、クラウドは高リスクだとして会社管理のデータ センターからクラウドへの移行をたびたび妨げました。

「アトラシアンのセキュリティ ソリューションと証明書はすべてパブリック ドメインにあり、これが会社で必要なコンプライアンスとセキュリティの承認プロセスを楽にしてくれました」と、Broten 氏は語ります。

アトラシアンのクラウド製品を使うことで、EQ のソフトウェア配信、コンプライアンス、セキュリティのすべてのチームがソフトウェア開発を見通せるようになりました。それに伴い、何が、いつ、なぜ、誰によって変更されたかを誰かが知る必要がある場合に、IT 担当者をわずらわせることなく把握できるようになりました。正式な監査は変わらず定期的に必要ではありますが、IT 担当者は都度発生する質問に答える必要がなくなり、監査プロセス自体も混乱を招くものではなくなっています。

アトラシアンのセキュリティ ソリューションと証明書はすべてパブリック ドメインにあり、これが会社で必要なコンプライアンスとセキュリティの承認プロセスを楽にしてくれました

Daniel Broten

技術部長

Atlassian Cloud の総所有コストの低さも、コスト節約のメリットを顧客が享受できるために魅力的だったと Broten 氏は述べています。伝統的な銀行は、顧客に支払う利子の額を抑え、当座口座手数料から多少の収入を得るために、普通口座と当座口座を分けています。しかし EQ Bank は間接費を削減できているおかげで、顧客に無料で普通・当座の統合口座を提供し、競合他社と比べて高い利率を実現できています。同時に、限られた IT リソースを、延々と続くインフラストラクチャの保守タスクから解放できます。

IT チームとベンダー全体で DevOps や CI / CD を実行するには、プロセスの標準化が必須です。標準化は、機能要件と非機能要件をすべて一貫した方法で確実に満たすことにも役立ちます。グローバル プロフェッショナル サービス企業の Deloitte は、アトラシアンのプラチナ ソリューション パートナーである Blended Perspectives を EQ Bank に勧めました。Blended Perspectives は、ツールのみならずプロセス デザインをも熟知し、組織の成功のために必要なトレーニングを提供できるコンサルティング企業です。アトラシアンにとっては非常に優れたパートナーだと言えます。

「他の銀行はあまりに強力なファイアウォールを [社内部門と社外パートナーの間に] 設置しているため、コラボレーションは不可能です」と、Blended Perspectives の共同 CEO である Miles Faulkner 氏は述べます。「確固たるビジョンをしっかりと描くことができ、それでいて [そのビジョンを実現する最善の方法に関しては] 柔軟に他の考え方を受け入れられる執行役員は、非常に稀です」

実現させる

Broten 氏の目標は、ソフトウェア配信のアウトプットとスループットを 2 年間で 4 倍にすることでした。これは、EQ Bank 社内の能力を大幅に引き上げることを意味します。当時の EQ Bank は、主に不具合のトリアージを目的としてオンプレミスで Jira Software を使用していました。

Blended Perspectives は、Broten 氏の目標達成に向けてアトラシアンのクラウド製品の組み合わせを提案しました。結果、EQ Bank は Confluence をコラボレーション、ストーリー設計、要件、リリース ノート、実装の計画に使用しています。Jira Software ですべてをトラッキングできるため、Jira Software 内での作業はひとつ残らず Confluence 内のリリース ノートや実装計画でさかのぼって確認できます。

「Jira Software はトレーサビリティを完全に確保しているので、毎回のリリースで何が変更されたのかを詳細なレベルで把握できます。おかげで、製品変更のレビューと承認を能率的なプロセスで行えるようになりました」と、Broten 氏は述べます。「問題が起きたとき、月ごとの大きなサイクルに合わせて修正を遅らせるのではなく、その日のうちに修正をプッシュできるようになりました」

EQ Bank は併せて Jira Service Management を使用して、インシデント レポート チケットを Jira Software にリンクされた課題へと自動で変換しています。IT チームのメンバーが手動で行う必要がないため、時間の節約になるうえ、エラーも防げます。Broten 氏はインシデント管理のさらなる改善を目指しており、Opsgenie でポートフォリオごとにツールの監視と警告を行う形で、Jira Service Management を補う計画です。

Atlassian Marketplace のツールを使用して Jira Service Management の実装をカスタマイズするお客様が多く見られます。EQ Bank の場合は、すでに強力な機能をより完全なものにするために、Draw.ioEasy AgileSoftware PlantComalatechSmartBear を活用しています。

継続的改善への取り組み

Equitable Bank が成長するにつれ、テクノロジー スタックと IT 構造の複雑さは増しています。2016 年に 20 名だった IT チーム メンバーは今や 100 名になり、2020 年までには 150 名に達する可能性もあります。一方で、150 ~ 200 もの外部パートナーが業務の遂行を支えており、アトラシアンのクラウドを介してコラボレーションしています。

Broten 氏のチームは、強固な DevOps や CI/CD プロセスを遂行し、テクノロジー スタック全体をパブリック クラウドで再構築しました。「弊社独自のサービスを顧客に提供するために、業務のやり方を変えています。それがブランドというものだと考えています」と、Broten 氏は話します。「こうした変革がもたらした予想外の面白い効果は、どの会社も欲しがる才能あふれる人材を惹きつけられる点です。トロントの求職者は、伝統的な銀行の安定性か、スタートアップの破壊的な勢いと革新を好む文化の、いずれかを求めます。Equitable Bank にはその両方があるのです」

EQ Bank は、顧客と自社に利益をもたらすソフトウェアの配信方法を追求し続けています。たとえば DevSecOps を取り入れると、顧客は安全かつ最新の銀行取引を行うことができ、開発チームはコンプライアンスとセキュリティ要件を守れます。アプリの高いパフォーマンスを確実に維持するためには、Opsgenie を使用して製品側の問題を迅速に解決します。年末までには、主要なシステムすべてとサポート チームが Opsgenie と接続される予定だと Broten 氏は述べています。

結論

日々移り変わる現代のビジネス環境では、組織は変化に素早く適応するか、挑戦を諦めるかのどちらかです。最大限に効果的な改革とは、確固たるビジョンを持つところから始まります。そのビジョンは実行可能で、適切なツールを使用して必要に応じて再考できる必要があります。アトラシアンのクラウド製品があれば、EQ Bank はビジョンの実現に成功できます。

「挑戦者の銀行として何を実現できるかを、私たちは絶えず考える必要があります。たとえば、弊社はコア バンキング システムをパブリック クラウドに移行する北米初の銀行に名を連ねるでしょう」と、Broten 氏は話します。「Atlassian Cloud のおかげで素晴らしい最新機能を活用できていますが、最大の優先事項は変わらず、顧客に価値、エクスペリエンス、サービスをお届けすることに弊社のコア コンピテンシーを最大限注ぎ込むことです」

クラウドでシームレスかつ安全にコラボレーションして、組織のワークフローを変革しましょう。

カナダ・ナショナル銀行のロゴ

さらなる透明性とコラボレーションの必要性が組織全体で増すにつれ、ビジネスツールを管理するチームは、アトラシアン製品こそが銀行の必要としているツールであることに気付き、さっそく拡張プランの導入に取りかかりました。

ABN AMRO

2 万人を超える従業員を擁するオランダの銀行 ABN AMRO は、2011 年に Jira Software を使い始め、自社のエンジニアリングチームのワークフローを管理しています。ツールの導入は組織的かつ短時間で進みました。その結果、65 人の管理者、70 個の課題タイプ、500 個の一意のステータス、800 を超えるワークフローを含む複数の Jira インスタンスが生まれました。